こんにちは。工場・製造業求人サイト「イカイジョブ」の編集部です。 派遣社員という働き方を考えた時にまず気になるのが給料ですよね。正社員と比べてどれくらい年収が下がるのか気になる方は多いのではないでしょうか。派遣社員の月収や手取りはどれ位なのか、ボーナスはもらえるのか、高収入を目指すことは難しいのか。そんな派遣社員の給料事情に対しての疑問や不安を抱いている方のために解説していきます。

派遣社員の平均年収は？

派遣社員の年収は、厚生労働省が報告する『労働者派遣事業報告書』の集計結果から算出することができます。 『令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(※)』によると、令和3年度の派遣労働者の平均賃金は1日あたり（8時間）15,698円。令和2年度は15,590円なので、0.687%増加している結果になります。 土日祝の休みと夏季や年末年始などの長期休暇を合計した日数が120日前後と言われているため、年間休日数を120日として年収を計算してみましょう。

365日 – 120日 = 245日
これをもとに、平均年収を算出すると、
15,698円 × 245日 = 384.6万円

上記計算によると、派遣社員の平均年収は約384万円となります。 あくまでこの年収額は全業種の平均であり、残業代は含まれていませんのでその点は留意してください。
※厚生労働省　令和3年度　労働者派遣事業報告書

派遣社員の給料・手取り額はいくら？

ここからは算出した年収から月収例や手取り額などを詳しく解説していきます。

派遣社員の平均月収

前述の厚労省の資料を元に年収の平均値と中央値を算出してみました。

▼厚生労働省　令和3年度　労働者派遣事業報告書参考、1日8ｈ勤務

	平均値	中央値
年収	3,846,010円	3,015,950円
月収(年収÷12ヶ月)	320,501円	251,329円

 

この結果を見ると、思ったより給料が高いと感じる人もいるでしょう。 ただこの数値は、派遣の全業種から算出したデータとなります。 派遣社員の業種は営業や事務員、医療従事者、公務など多岐にわたるため、この平均値は平均年収の高い職種が影響していると言えます。

例えば、医療従事者(医師・歯科医師・獣医師・薬剤師)で算出すると平均年収は約729万円、平均月収は約60万円となります。希望する職種にもよりますが、中央値で見た方が実際と近いかもしれませんね。 また、地域によっても賃金に差があることも知っておきましょう。

派遣社員は基本的に、時給換算で給料が支給されます。諸手当がつくこともあまりないため、正社員より給料が低いと思われがちですが、残業手当や深夜手当で働いた分だけ給料は増えるため、働き方次第で正社員よりも多く給料がもらえることもあります。

派遣社員の給料の手取りはどのくらい？

前述で算出した年収・月収は、あくまで総支給額となっています。実際に給与としていくら振り込まれるのかをご存じでしょうか？ 給料の総支給額から差し引かれる「控除額」の一般的なものとしては、所得税や社会保険料などがあり、総支給額から差し引かれた額が振り込まれます。 これを手取り額といい、控除額は平均で総支給額の15％〜20％と言われています。

総支給額	おおよその手取り額
20万円	16万円〜17万円
23万円	18万4000円〜19万5500円
25万円	20万円〜21万2500円
27万円	21万1600円〜22万9500円
29万円	23万2000円〜24万6500円
32万円	25万6000円〜27万2000円
35万円	28万円〜29万7500円
40万円	32万円〜34万円
45万円	36万円〜38万2500円

 

控除される税金や社会保険料は、前年の収入や扶養家族の有無など人によって変わります。また、社員寮に入居する場合は家賃や水道光熱費など会社が立て替えた費用が天引きされる場合もありますので、あくまでひとつの目安として確認しておきましょう。

派遣社員でもボーナスはもらえる？

派遣社員として働いている場合、基本的にボーナスを支給されることはないでしょう。一般的に派遣社員の時給や日給などの賃金は、パートやアルバイトに比べると高めに設定されています。なぜなら派遣社員の基本給は、ボーナスがすでに組み込まれた金額となっており、ボーナスという形で別途給与が支払われることがないからです。

一方で、派遣社員でもボーナスを受け取ることができるケースもあります。例えば、ボーナス制度のある派遣会社で働いている場合。支給条件を満たしていれば、ボーナスの支給が見込めるため、ボーナス制度がある派遣会社かどうかは事前にチェックしておくといいでしょう。

派遣社員と正社員の給料の差はどれくらい？

それでは派遣社員と正社員の場合、給料はどのくらいの差があるのかを見てみましょう。 国税庁調査によると、令和4年の正社員の平均年収は426万円(※)となっています。

項目	金額
給料手当	4,260,000円
賞与	970,000円
年収	5,230,000円
月収(給与手当÷12)	355,000円

 

派遣社員の平均月収320,501円と比較すると約3万円の差があることがわかります。 年収にすると正社員の場合は賞与が含まれますので大きく差がありますが、給料手当のみで比較すればそこまで大きな差がないことがわかります。
(※)令和４年分民間給与実態統計調査結果について

派遣社員で時給・給料が高い職種は？

日本人材派遣協会(※)が2021年度に実施したアンケート結果で、派遣社員の職種別平均時給を見てみましょう。

職種	平均時給
IT技術・通信系	1953.4円
クリエイティブ系	1682.3円
営業・販売・サービス系	1509.1円
オフィス系(デスクワーク以外)	1495.1円
オフィス系(デスクワーク系)	1405.8円
製造・軽作業系	1209.0円
その他	1564.3円

 

上位2位のIT技術・通信系、クリエイティブ系は専門的な知識やスキルを必要とするため、高時給の傾向にあるようです。逆に特別な経験や知識を必要としない製造・軽作業系では平均時給1209円となっています。 上記はあくまで平均時給ですので、具体的な時給は会社ごとに異なります。ひとつの目安として捉えておくとよいでしょう。
※日本人材派遣協会

派遣で人気の職種の給料は？

総務省労働力調査2021年度によると、2021年の派遣就業者数の多い職種として事務職、次いで製造関連となっています。この2職種で派遣就業者の約6割を占めており、人気の職種と言えるでしょう。

それではこの2職種について、月収と平均年収を見てみましょう。

	一般事務	製造・軽作業
平均時給	1,405円	1,209円
月収(1日8h×月20日勤務)	224,800円	193,440円
年収(月収×12)	2,697,600円	2,321,280円

 

一般事務と製造・軽作業でも年間40万円程度の差がありますが、製造・軽作業でよく見られる残業をした時の時間外手当や夜勤勤務における深夜割増手当は含まれていません。

ちなみに1日1時間の残業がある場合は、
時給に25％の時間外手当が付与されますので
1h　×　月20日　×　（時給1,209円　＋　25％）　=　30,220円
193,440円　＋　30,220円　=   223,660円

となります。

平均で見ると少ないと感じる方もいると思いますが、特に製造・軽作業の場合は軽作業の時給が低い傾向にあるため、仕事内容によって給料が大きく変わってきます。 高収入を考えている方であれば、機械製造や自動車製造のように平均時給が高い業種から選択すると良いでしょう。

派遣社員で高収入を目指す方法は？

さまざまな業種・職種で活躍の場が拡がっている派遣社員で、さらに高収入を目指す方法について解説していきます。

専門性の高い知識やスキルを身につける

高収入を目指すためには、派遣社員としてのスキルアップが不可欠です。需要の高いスキルや資格を取得し、大手企業や成長分野に派遣されることで、高時給や資格手当などが期待できます。 すぐに活かせるスキルとして、会計や財務などの経理関係のスキル、語学力、プログラミングやソフト開発などのIT知識などがあるので、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

給料が高い派遣会社または派遣先で働く

派遣会社によっては、同じような仕事内容でも給料や福利厚生が違うというケースはよく見られます。応募資格や給与例、就業条件などどこが違うのかをよく比較して、自分の希望する条件と合う仕事を選択するようにしましょう。

また、同じ派遣会社でも派遣先によって時給や給料は変わってきます。待遇が良い求人は経験やスキルを求められる場合もありますが、未経験OKとしていることもあるため、気になる求人があれば派遣会社の担当者に相談して、異動願いを出すのもひとつの方法です。

ただ、短期間での異動は派遣先や派遣会社に迷惑がかかるため気を付けるようにしましょう。

派遣社員でも働き方次第で高収入が狙える！

ここまで派遣社員の年収や手取り、ボーナスについて比較を交えて解説してきました。

派遣社員だからといって一概に「給料が安い」というわけではなく、働き方次第で高収入を狙えることがわかりました。

さまざまな求人サイトがある中で、より自分の希望に合ったお仕事探しをすることが大切です。給料や福利厚生などの待遇をチェックするとともに、長く働けるように派遣会社の対応や派遣先の職場環境にも注目するようにしましょう。

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