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日勤と夜勤の連続勤務は違法になる?違法になるケースやメリット・デメリットを解説!

日勤と夜勤の連続勤務は違法になる?違法になるケースやメリット・デメリットを解説!

こんにちは。工場・製造業求人サイト「イカイジョブ」の編集部です。

看護師などの医療関係者や、公共の交通機関に勤務している人の中には、夜勤から日勤への連続勤務を経験したことがある人もいるのではないでしょうか。でもこの連続勤務、違法にはならないのか?という点が気になるところです。

このコラムでは、連続勤務が違法になるケースや、連続勤務のメリット・デメリットを解説していきます。

日勤とは?

日勤とは、漢字があらわす通り、日中の時間に勤務することです。例えば看護師の場合、日勤は朝の8時から17時まで、途中に1時間の休憩をはさんで8時間勤務となることが多いです。(始業時間及び終業時間は、勤務先や業種によって異なります。)

また交替勤務でよくある2交替制とは、1日24時間を日勤と夜勤のシフトにわけたものを言い、3交替制は24時間を日勤、準夜勤、夜勤にわけたものです。

日勤と夜勤の違いは?

日勤と夜勤では、まず働く時間が大きく異なります。日勤が午前中から夕方まで働くことに対し、夜勤は深夜時間に働くことです。夜勤の勤務時間は勤務先や職種によってさまざまですが、労働基準法では原則として22時から翌日の朝5時までと定められています。

また雇い主は、深夜時間に働く従業員に対し25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。そのため、日勤と夜勤では時給も異なります。

さらに職種によっては、日勤と夜勤では仕事内容も異なるでしょう。例えば介護施設では、日勤の主な業務はオムツ交換や入浴介護などです。一方夜勤の仕事は、施設内の巡回が主な業務となります。

入院施設がある病院に勤務する看護師の夜勤業務は、病棟巡回、ナースコール対応、点滴交換や投薬チェックなど、日勤の業務とほぼ変わりはありません。しかし日勤と夜勤では、配置人数が大きく異なります。一般的に夜勤の方が少ない人数で業務を行わなければなりません。

またICUや救急病棟では、夜間の救急患者に対応しなければならないため、日勤と比べると負担が大きくなることもあります。

日勤と夜勤どちらがいい?メリットとデメリットを解説

日勤と夜勤、それぞれのメリット、デメリットを以下の表にまとめました。

  メリット デメリット
日勤 ・体調管理がしやすい
・周囲の人と生活時間が合うので、友人家族と過ごす時間を持てる
・プライベートが充実する
・割増賃金がないため、夜勤と比べると給与が低い
・平日昼間が拘束されるので、銀行や市役所、病院に行きにくくなる
夜勤 ・割増賃金が発生するので、効率的に稼ぐことができる
・通勤、帰宅ラッシュとは無縁
・平日の昼間を自由に使える
・体内時計が狂いやすいので、体調管理が難しい
・家族や友達と時間が合わない
・トラブルが起こった際の処理が大変

仕事を探す際は、日勤、夜勤のメリットを比較して、どちらが自分に向いているのかを考えることが大切です。

夜勤から日勤への連続勤務は違法?

夜勤から日勤への連続勤務は「長時間労働にあたるので違法なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、結論から言うと違法にはなりません。

例えば、木曜日の21時から翌金曜日の朝6時まで夜勤を行い、3時間後の金曜9時から18時まで日勤を行うことは、法律上可能です。

労働基準法において、深夜0時を超える夜勤は「始業時間が属している日の労働日」として扱うよう規定されています。

つまり、木曜21時から金曜朝6時までの夜勤の時間は、「始業時間が木曜日」なので、木曜日分の労働時間扱いに。翌金曜9時からの日勤の時間は「始業時間が金曜日」のため金曜日分の労働時間となり、長時間勤務には該当しないというわけです。

夜勤から日勤への連続勤務が違法になるケースは?

とはいえ、夜勤から日勤への連続勤務が違法となる事例もあります。どのような時に違法となってしまうのか、具体例をいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

安全配慮義務に違反している

企業が従業員の安全を確保できていない安全配慮義務違反の状態での連続勤務は、違法となります。しかし正直な話、何をもって「安全配慮義務違反」となるかは、判断が難しい所です。

しかし、次の勤務まで十分な休息時間を与えていない、夜勤から日勤への連続勤務が続く、といったことが頻発する場合は、労働者の安全をきちんと確保しているとは言い難いでしょう。従業員の身体に健康上の問題が生じてしまう前に、企業は早めに状況改善する必要があります。

法定休日が与えられない

労働基準法において、企業は従業員に対し、1週間に1日ないし4週に4日の法定休日を与えるよう規定されています。この法定休日を与えることなく連続勤務させた場合は、違法となります。

仮に夜勤明けに休日を与える場合は、原則として午前0時から午後12時までの、「暦日単位」で休ませる必要があります。例えば夜勤明けの金曜を休みにして、土曜に再び出勤させた場合、休日を与えたことにはならないのです。

この場合は、夜勤明けの金曜プラス土曜日の0時~12時を休みとし、出勤は日曜以降にしなければなりません。

時間外労働や夜勤の割増賃金が支払われない

法定労働時間を超えて勤務しているにも関わらず、割増賃金が支払われない場合は、労働基準法違反となります。1日8時間、週40時間を超えた時間外労働に対して、企業は25%の割増賃金を支払うよう法律で定められています。

さらに労働時間が22時~5時の深夜帯となる場合、企業は25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。これらの割増賃金を支払わずに連続勤務をさせた場合も、違法となります。

36協定に違反している

従業員に時間外労働をさせる場合、企業は必ず「時間外・休日労働に関する協定」、いわゆる「36協定」を提出しなければなりません。36協定では、1日・1ヵ月・1年単位の「限度となる時間外労働」について規定しています。

36協定をオーバーする時間外労働をさせた場合、36協定違反となるのです。例えば、36協定では残業は1日6時間以内としているにも関わらず、連続勤務で時間外労働が8時間になった場合、企業は罰則の対象となります。

連続勤務のメリットは?

連続勤務には、「効率的にお金を稼げる」というメリットがあります。以下に詳しく解説いたします。

長時間働けるので効率的に稼げる

通常日勤、夜勤のみの場合は、労働時間は8時間です。しかし連続勤務の場合は8時間以上の勤務が可能になるため、必然的に長時間働くことができます。休む時間は少ないかもしれませんが、効率的に稼ぐことができるでしょう。

条件によっては、賃金の割増率が50%以上になる

連続勤務の労働時間が22時~5時の深夜帯で、なおかつ時間外労働と重なった場合は、賃金の割増率が50%以上になります。日勤、夜勤のみで働くよりも賃金が高くなる、というのもメリットのひとつです。

 

連続勤務のデメリットは?

連続勤務にはお金をしっかり稼げるというメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。ここでは、主なデメリットを詳しく説明していきます。

体調管理が大変

連続勤務は、睡眠時間や食事の時間がイレギュラーになるので、生活リズムが狂いやすくなります。人によっては眠ろうと思ってもなかなか寝付けなかったり、良質な睡眠を得ることができなくなったりする人もいるようです。

生活リズムが整わないと、体調を崩してしまうこともあります。連続勤務を行う場合は、いつも以上に体調管理が重要になるでしょう。

長時間勤務になりきつい

連続勤務は長時間働かなければならないので、体力的な負担が大きくなってしまいます。体力に自信のある人でも、睡眠不足になったり、疲れが溜まったりすることで、「きついな」と感じてしまうかもしれません。

また、長時間勤務を終え疲れて帰宅すると、休日は体を休めることに費やしてしまいがち。家族や友人と会う機会が減ることで孤独な気分になってしまい、精神的にもつらくなってしまう可能性があります。

連続勤務はしっかり稼げるが、体調管理が重要!

日勤と夜勤がある仕事に就いた場合、連続勤務になる可能性もあります。連続勤務は効率よくお金を稼げる一方で、体調を崩しやすい、体力的・精神的にきついというデメリットがあります。連続勤務を行う際は、自分自身の体力としっかり相談するようにしましょう。また、日勤、夜勤のメリット、デメリットをしっかりと比較検討して、自分に合った勤務形態を見つけることが大切です。