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組み付けってどんな作業?組立作業との違いや仕事内容、きついと言われる理由まで詳しく解説

組み付けってどんな作業?組立作業との違いや仕事内容、きついと言われる理由まで詳しく解説

こんにちは!工場・製造業求人サイト「イカイジョブ」の編集部です。

工場のお仕事でよく耳にする「組み付け」という作業ですが、組立作業とどこが違うのか疑問に思う方もいるのではないしょうか。組み付けや組立について詳しく知りたいという方に向けて、それぞれの違いやきついと言われる理由、どんな人が向いているのかを解説していきます。またどんな資格があると良いのかも紹介していますので参考にしてみて下さい。

組み付けとは?組立作業と何が違う?

組み付け・組立スタッフ

組立 (Assembly) は、部品を集めて、完成品を作る作業です。例えば、レゴブロックで建物を作るときに、部品を組み合わせて、家を作るのが組立です。製造工場でも同じように、部品を集めて、自動車やスマートフォンなどの製品を作る作業が組立です。

一方、組み付け (Mounting) は、すでにある部品や機械に、別の部品を取り付ける作業です。例えば、自転車のタイヤを取り付けるときに、タイヤを自転車のハブにはめて、ネジで固定するのが組み付けです。家の家具を組み立てるときに、ドアノブや引き出しのハンドルを取り付けるのも組み付けです。

つまり、組立と組み付けは、部品を集めて完成品を作るか、既にある部品や機械に別の部品を取り付けるかの違いになります。

組み付け作業の仕事内容

組み付け作業はさまざまな製品の製造で行われていますが、電子部品の組み付け作業を例にとって具体的な作業内容を見てみましょう。

電子部品の組み付け作業

製造作業を行う男性スタッフ

電子部品工場での組み付けには以下のような、さまざまな作業があります。

  • 基板上の部品の実装 
    基板には、小型の抵抗器、コンデンサ、ダイオード、トランジスタなどの部品が配置されていて、これらの部品を、基板の設計図に従って配置することが組み付け作業の主な内容です。この作業は、専用の機械を使用したり、手作業で行ったりする場合があります。
  • 配線作業
    基板上に配置された部品同士を接続するために、細い線をはんだ付けする作業です。この作業は、手作業で行う場合が多いですが、機械化されている場合もあります。
  • ハウジングへの組み込み
    基板上に実装された部品を、専用のハウジングに組み込む作業です。この作業では、基板の固定、ハウジング内のケーブル配線、接続端子の取り付けなどが含まれます。
    ※ハウジングとは…電気的な接続をするための接触子が組み込まれる樹脂部品のこと

組立作業の仕事内容

組立作業には、自動車や家電製品、模型、家具、医療機器など様々な種類があります。これらの作業は、部品を組み合わせて完成品を作り出す作業となり、専門知識・経験が必要な作業から未経験でも比較的早い段階で作業習得できるものまでさまざまです。
いくつか例を挙げて詳しくご説明します。

自動車の組立工程

自動車製造工場

自動車の組立ライン工程は自動車メーカーや車種によって異なりはするものの、一般的には50~100以上の工程があるといわれています。工程はエンジン、車体、内装、電装系などの部分ごとに分かれており、以下のような組立作業が行われています。

●エンジンの組立:シリンダーブロック、ピストン、バルブ、カムシャフト、クランクシャフトなどのエンジン部品を組み立てます。

●車体へのエンジンの取り付け:完成したエンジンを車体に取り付けます。

●シャシーの組立:車体を構成するフレームやシャシーの部品を組み立てます。

●サスペンションの組立:車体に取り付けるサスペンション部品を組み立てます。

●ブレーキシステムの組立:車体に取り付けるブレーキ部品を組み立てます。

●ドライブトレインの組立:エンジンからホイールに至るまでのドライブトレイン部品を組み立てます。

●タイヤ・ホイールの組立:タイヤとホイールを組み立て、車体に取り付けます。

●最終組立:車体の外装パネル、内装部品、配線や配管類、エンジンオイルなどの最終組立を行います。

産業用機器の組立

産業用機器の組立工程では、用意された設計図や図面を見ながら、機器同士を組み合わせる作業です。速度よりも正確性を重視されるため、ライン作業よりは個人単位あるいは数名でのグループ単位で作業を行うことが多くあります。
専門的な知識や経験が必要な一部の場合を除き、組立家具を作る程度の図面が理解できれば未経験OK!

使用する道具も、電動ドライバーやレンチなど馴染みのあるものを使用します。

各パーツを組み合わせて完成に近づけていく産業機器の組立は達成感のあるお仕事です!

工場の組立作業はきつい?

工場の組立作業がキツいと言われる原因は様々ですが、大きな要因としてはライン作業である、ということが挙げられます。具体的にはどんな点がキツいと感じる点なのかをまとめてみました。

自分のペースで作業できない

ライン作業では、個々の作業者が自分のペースで作業を進めることは難しいでしょう。ライン上では一定の作業サイクルやタイミングに従って作業が進んでいくため、他の作業者との連携が重要です。作業の合間や休憩時間も限られており、自分のペースに合わせて作業を進めることは困難です。ラインのスピードに合わせて追いつくため、作業の効率化とタイムマネジメントが求められます。ただし、連携やチームワークを大切にすることで、スムーズな作業進行と生産性向上につながります。

指や腕、足腰など身体のいろいろな所が痛くなりがち

ラインでの組立作業では、部品を押し込んだり、電動工具(電動ドライバー・インパクトドライバーなど)を使用したりする際、指や腕に負担がかかることがあります。部品を押し込む際には、指先に力を集中させるため、長時間の作業で指や手首に疲労や痛みが生じることがあります。また、電動工具は振動や反動が発生し、使用する手や腕に負担をかけます。振動による衝撃や長時間の使用によって、指や手、腕に痛みや違和感が生じることがあります。

繰り返し作業で時間が経つのが遅く感じる

繰り返し作業を行うと、時間が経つのが遅く感じることがあります。これは、同じ作業や動作を繰り返すことで、脳が状況の変化を感じにくくなるためです。新鮮さや刺激が少なくなり、単調さが生じることで時間の経過がゆっくり感じられます。

また刺激や変化が少なくなった脳が興味を失いやすくなると集中力が切れやすくなるという傾向があります。

職場環境がキツイ

キツい理由は作業内容だけでなく、職場環境に起因する場合もあります。

切断や加工の際に発生する機械音による騒音、溶剤や薬剤を使用する際の臭い、職場の暑さ、寒さなどです。

最近では空調完備の職場も増えてはいるものの、製造品や部品によっては温度管理が必要な場合もあるため必ずしも快適な温度とはいかないこともあります。

組み付けや組立作業はどんな人が向いている?

組み付けや組立作業は、精密さと正確さ、細かい作業や手先の器用さが必要です。また、チームでの協力や継続的な集中力も求められます。具体的にはどのような人が組み付けや組立作業に向いているのかを詳しく説明します。

ものづくりが好き

プラモデル作りが好き

組み付けや組立の作業は、プラモデル作りが好きな人に向いています。細かい部品や工具を使いながら、一つずつ組み立てていく作業は、まさに大人のプラモデル作りのような感覚です。集中力を持って正確に作業を進め、完成した製品を見る喜びや達成感を味わえます。

手先が器用、細かい作業が好き

組み付けや組立のライン作業は、手先が器用で細かい作業が好きな人に向いています。部品を組み立てたり工具を使ったりする細密な作業を通じて、正確さと精密さが求められます。手先の器用さを活かし、細部まで丁寧に作業を進めることが重要です。また、集中力を保ちながら作業を継続することも求められます。自分の手で製品が完成したときの達成感や満足感を味わえるため、手先が器用で細かい作業が好きな人にとって、組み付けや組立のライン作業は充実感とやりがいを提供する仕事となるでしょう。

黙々と作業するのが得意

組み付けや組立作業は、コミュニケーションが少なくても集中して作業に取り組める人に向いています。この仕事では、一つの作業に集中し、手順や指示に従って作業を進めることが重要です。自己のペースで取り組むことができるため、自己集中力が高く、コミュニケーションが少ない環境で作業ができる人にとって、充実感と満足感のある仕事となるでしょう。

繰り返し作業が苦にならない

組み付け・組立ライン作業では、一貫した手順や工程を繰り返し行う必要があります。集中力を保ちつつ作業の効率と品質を追求するため忍耐力も必要となります。

同じネジ締めの作業ひとつを取っても、同じ作業を繰り返すことで技術もスキルアップしていくので、繰り返し作業が苦にならない人にとっては自己の成長と満足感を得られるお仕事です。

電子機器組立技能士や電気機器組立技能士の資格は持っていると役に立つ?

組み付け・組立作業で役立つ資格として電子機器組立技能士や電気機器組立技能士があります。これらは、電子機器や電気機器組立に関する技術や知識があることを証明するもので、いずれも国家検定制度。合格すれば「技能士」の称号が与えられ、社会的・経済的にもスキルアップすることは間違いありません。ここからはそれぞれを具体的に説明します。

電子機器組立技能士とは?

電子機器組立技能士は、電子機器の組み立てに関する高度な技術を持つことを証明する国家検定制度です。この資格を取得することで、以下のような技能を習得することができます。

  • 部品認識と取り扱い:電子部品や配線、基板などの特徴を理解し、正確に取り扱うスキルを習得します。部品の識別や配置の正確さが求められます。
  • 組立工具の使用:電動工具やはんだごてなどの組立工具を安全に使いこなす方法を学びます。適切な工具の選択と正確な操作が必要です。
  • 基板実装と配線:基板上に部品を実装し、配線を正確に行う技術を磨きます。細かな作業と正確な配線が求められます。
  • 品質管理とトラブルシューティング:組立作業中の品質管理やトラブルシューティングの方法を学びます。不具合の原因を特定し、修正するスキルが必要です。

電子機器組立技能士の難易度と取得費用について

電子機器組立技能士の技能検定は3級から特級までの5つに分かれており、実務経験に応じて受験資格が設けられています。

合格率を厚生労働省発表の令和3年度「技能検定」実施状況で見てみると
▼令和3年度 受験者数と合格者数

受験者数12,226名
合格者5,321名
合格率43.5%

となっています。

費用は国・県の減免制度により都道府県ごとに異なりますので、居住する地域の都道府県Webサイトで確認しましょう。

以下は静岡県の受検手数料となります。

  • 学科試験手数料 3,100円
  • 実技試験手数料
特級・1級・単一等級 全年齢18,200円
2級25歳未満9,200円〜18,200円(居住地・職域などによる)
2級25歳以上18,200円
3級25歳未満9,200円〜18,200円(居住地・職域などによる)
3級25歳以上18,200円
※費用は一般の場合です
  • 受検資格
等級受検資格
3級不問
2級実務経験2年以上、または3級合格者
1級7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験(※1)
特級1級合格後5年以上の実務経験(※2)

※1学歴により必要な実務経験年数が異なる
※2学歴により実務経験が不要になる

電子機器組立技能士の資格を活かせる仕事とは?

電子機器組立技能士資格を活かすことができる仕事には以下のようなものがあります:

  • 電子機器製造業:電子機器の製造工程において、組立や実装の専門知識と技術を活かして働くことができます。基板実装や配線などの作業に従事し、高品質な電子機器の製造に貢献します。
  • 電子機器メンテナンス・修理業:故障した電子機器の修理やメンテナンスを行う仕事において、組立技能を活かすことができます。部品の交換や配線の修復など、正確で高度な技術を要する作業を行います。
  • 電子機器設計・開発:電子機器の設計や開発において、組立技能を持つことは大きなアドバンテージとなります。実装の可能性や製造プロセスの改善などを考慮しながら、効率的で高品質な製品の設計を行います。
  • 品質管理・検査:電子機器の品質管理や検査の仕事では、組立技能を活かして製品の品質を確保します。部品のチェックや組立プロセスの監査、不良品の特定など、正確で緻密な作業が求められます。

電子機器組立技能士資格を持つことで、高度な技術や知識を活かして専門的な役割を果たすことができます。

電気機器組立技能士とは?

電気機器組立技能士は、電気機器の組立・配線に関する専門的な知識と技能を持つ国家資格のひとつです。この資格を持つことで、電気機器の組み立て作業や配線作業を高い品質で行うことができます。

電気機器組立技能士の難易度と取得費用について

電気機器組立技能士の技能検定も、電子機器技能検定同様、3級から特級までの5つに分かれており、実務経験に応じて受験資格が設けられています。

合格率を厚生労働省発表の令和3年度「技能検定」実施状況で見てみると

受験者数7,204名
合格者3,369名
合格率46.7%

となっています。

費用は国・県の減免制度により都道府県ごとに異なりますので、居住する地域の都道府県Webサイトで確認しましょう。

以下は静岡県の受検手数料となります。

  • 学科試験手数料 3,100円
  • 実技試験手数料
特級・1級・単一等級 全年齢18,200円
2級25歳未満9,200円〜18,200円(居住地・職域などによる)
2級25歳以上18,200円
3級25歳未満9,200円〜18,200円(居住地・職域などによる)
3級25歳以上18,200円
※費用は一般の場合です
  • 受検資格
等級受検資格
3級不問
2級実務経験2年以上、または3級合格者
1級7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験(※1)
特級1級合格後5年以上の実務経験(※2)

※1学歴により必要な実務経験年数が異なる
※2学歴により実務経験が不要になる

電気機器組立技能士の資格を活かせる仕事とは?

電気機器組立技能士の資格を活かすことができる仕事には以下のようなものがあります:

  • 電気機器製造業:電気機器の組み立てや配線を担当する仕事です。電気回路の組み立てや部品の取り付け、配線の接続などを行い、高品質な電気機器の製造に貢献します。
  • 電気工事業:建築物や施設の電気設備の組み立てや配線を担当する仕事です。電気配線や制御盤の組み立て、機器の設置などを行い、電気システムの構築や保守に関わります。
  • 電気機器メンテナンス・修理業:故障した電気機器の修理やメンテナンスを行う仕事です。電気回路のトラブルシューティングや部品の交換、配線の修復などを行い、機器の復旧や正常な動作を確保します。
  • 電気機器設計・開発:電気機器の設計や開発において、組立技能を活かすことができます。実装の可能性や製造プロセスの改善などを考慮しながら、効率的で高品質な製品の設計に携わります。
  • 品質管理・検査:電気機器の品質管理や検査の仕事では、組立技能を活かして製品の品質を確保します。製品の仕様や規格に基づいて検査を行い、不良品の特定や品質向上に貢献します。

電気機器組立技能士の資格を持つことで、高度な技術や知識を活かして専門的な役割を果たすことができます。

まとめ

今回は、組み付け・組立のお仕事について詳しい作業内容やスキルアップできる資格取得についてご説明しました。

ひとことに組み付け・組立といっても製造する製品や部品により作業内容が異なるので、求人応募の際にはよく確認しましょう。

イカイジョブでは、オンライン面談での詳細説明や職場見学などで、仕事内容をより理解いただくことに力を注いでいます。

少しでも興味のあるお仕事がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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