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工場のライン作業とはどんな仕事?きつい理由や向き不向きを経験をもとに解説

工場のライン作業とはどんな仕事?きつい理由や向き不向きを経験をもとに解説

こんにちは。工場・製造業求人サイト「イカイジョブ」の編集部です。
工場のライン作業と聞くと「きつい」とか「作業についていけない」などマイナスな印象が多いお仕事ですが、実際はどうなのでしょうか?業種によって異なることはもちろんのこと、任される工程によっても作業内容はさまざまです。そこで今回は、ライン作業の特徴や作業の向き不向き、お仕事内容を詳しく解説していきます。最後にライン作業のお仕事を探す時に見るべきポイントも紹介していますので参考にしてください。

目次

ライン作業とは「作業」ではなく「生産方式」のこと

「ライン作業」とは、工場での具体的な作業ではなく生産方式を表しており、正式には「ライン生産方式」と言われます。ひとつの製品を大量に作り出すために考案された流れ作業のことです。

ライン作業イコールベルトコンベアで製品が流れてくる、というイメージがありますが、あくまでも生産方式のことですので、ベルトコンベアを使用しないライン作業もあります。

ライン生産方式での作業内容は、部品をネジ止めするだけなど、1作業または2作業程度の簡単・単純作業が多く、特別な知識や経験も必要ないため工場未経験者も取りかかりやすい仕事といえます。

工場ライン作業はどんなところがキツい?

「ライン作業はキツい」というイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?どんなところがキツいといわれる点なのかをまとめてみました。

立ちっぱなしや同じ姿勢が多い

工場のライン作業はほとんどの場合が立ち作業になります。長い時間を同じ姿勢で作業をするため首や肩、足腰の負担を感じてキツいと感じる人も多いようです。単純作業で作業が覚えやすい反面、作業姿勢に慣れるまでは圧迫靴下や休憩時間にストレッチをするなどの工夫が必要です。

特に働き始めは足の裏が痛くなることが多く、クッション性のある靴を履くのもオススメです。

ラインのスピードについて行けない

工場のライン作業初心者にとって、ラインスピードに慣れることが大切です。

工場の職場見学の際「スピードが速すぎる」「作業スピードについていけない」などの不安を口にする人も少なくありません。流れ作業のスピードについていけない場合、後工程が詰まってしまうなど影響も大きいため、初心者には丁寧な研修やOJT、短時間就業からはじめる、作業工程を減らすなど、慣れるための措置をとる職場もあります。生産スピードは製造する製品や工場によりさまざまなので気になるライン作業を見つけたら職場見学で確認すると安心して就業できるでしょう。

ガッツポーズをする工場の女性作業員

作業に慣れると時間が経つのが遅い

最初のうちは不安でたまらなかったラインスピードも、慣れてしまうとむしろ遅いと感じるようです。同じ作業を繰り返し行うことが多いライン作業は、作業内容を覚えやすいという反面、慣れてくると単純作業に飽きてしまいがち。時間が経つのが遅いと感じ始めたら集中力が切れているというサイン!ストレッチなどで気分を変えて集中力を持続させましょう。

ライン作業に向いている人と向いてない人の違いは?

工場のライン作業に向いている人と向いていない人には、それぞれ特徴があります。単調な作業に耐性がある人やスピードと正確性を維持できる人が向いている一方で、体力的な負荷に弱い人やチームワークに苦手意識を持つ人は向いていないという点に焦点を当てて解説します。

ライン作業に向いている人

具体的にライン作業に向いている人の特徴を挙げてみました。

単純な作業が好き

ライン作業は、同じ作業を繰り返すことが多く、単純な作業であるため、経験やスキルがなくてもチャレンジできます。また、作業手順が明確に決まっているため、簡単に覚えることができ、短期間で仕事に慣れることができます。さらに、先輩社員から指導を受けることもできますので、未経験の方でも安心してチャレンジできる環境が整っています。

モクモク作業が好き

モクモクと作業に没頭することが好きな人にとって、ライン作業は仕事内容の変化が少なく安定した作業ができるというメリットがあります。シンプルで覚えやすい作業が多いライン作業は、手順やフローを覚えるストレスが少なく、作業を始めてから早い段階で独り立ちすることも可能なお仕事と言えます。

立ち作業が好きな人

ライン作業は、立ち仕事が多いため、身体を動かして働くことができます。身体を動かすことで運動不足解消や、健康維持にもつながります。また、長時間の座り仕事と比べると、脚や腰の負担が軽減されるため、身体への負担が少なくなります。職場によっては可動域がほとんどなく、同じ位置で作業を行う場合もありますので、応募の際に確認しましょう。

正確に作業ができる人

ライン作業は、一定の作業を正確に繰り返し行うこと、さらに一定のクオリティの製品を作り出すことが求められます。そのため、正確に作業ができる人にとっては、ライン作業は向いていると言えます。また、作業過程でのミスが品質に大きく影響するため、細かな作業が得意な人、集中力を持続できる人にも適しています。

作業効率を考えられる人

ライン作業は作業の順番を考えたり、動作の無駄を省いたりすることで、効率的に作業を進めることができます。そのため、与えられた作業に対し作業効率を考えて作業ができる人にとってライン作業は向いていると言えます。作業効率を上げることで、製品の生産量を増やしたり、余裕を持って作業を行うことができたりするため、会社にとってもプラスになることが期待できます。

ライン作業に向いてない人

未経験者にとって取りかかりやすい単純作業が多いライン作業ですが、向いてない人もいることでしょう。ライン作業に向かない人はどんな人なのかまとめてみました。

単純な作業が苦手

ライン作業は同じ作業を繰り返すことが多いため、飽きっぽい人には向きません。毎日同じ作業を繰り返すことがストレスになり、モチベーションが低下する可能性があります。新しいことに挑戦することが好きな人や変化を求める人には、ライン作業は向いてないかもしれません。

会話しながら働きたい

ライン作業では、製品を効率的に生産するために作業スピードやタイミングが決まっており、作業中にコミュニケーションを取ることは難しいです。そのため、会話を楽しみながら働くことが好きな人には向かないでしょう。作業内容に没頭して単調な作業をこなすことが求められます。

ライン作業のスピードについて行けない

ライン作業は一定のスピードで作業が進められるため、作業スピードについていけないと追いつくことが難しくなります。そのため、作業スピードを保って作業を進められる人に向いています。流れ作業についていけないと仕事の遅れやミスが生じるため、ライン作業に向いてない人と言えます。

体力に不安がある

ライン作業は一定のスピードで作業を続ける必要があるため、日頃体力不足を感じている人にとっては負担が大きいかもしれません。また、長時間の立ち仕事や同じ動作を続けることで、身体への負担も大きくなります。体力に自信がない人は、ライン作業に向いてない可能性があります。

身長が高い人または低い人

身長が極端に高い人や低い人は、作業台やコンベアの高さが適切でなく、作業効率が落ちたり、身体に負担がかかる可能性があります。また、作業中の姿勢や動作が適切でない場合、身体への負担が増えることもあります。

ライン作業はどんな業種の工場にある?

ライン作業は、工場などで大量生産される製品の製造ラインにおいて用いられる作業形態です。自動化が進んでいる中で作業が単純化・効率化されていることが特徴で、多くの業種で採用されている生産方式です。具体的にどのような業種に多いかを紹介していきます。

自動車製造のライン作業

自動車製造工場におけるライン作業は、多くの場合、製造プロセス全体を分割し、細かい工程に分割して行われます。自動車製造工場のライン作業は、主に以下のような工程で構成されています。

自動車製造ライン作業

◎ボディ製造ライン/自動車の骨格となるボディの部品を製造する工程です。主に、鉄板の加工、溶接、塗装などの工程があります。

◎組立ライン/ボディ製造が完了したら、ボディにエンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキなどの部品を取り付ける作業が行われます。このラインでは、数多くのサブアセンブリーラインがあります。それぞれのラインで、小さな部品の取り付け作業や、複数のサブアセンブリーを組み合わせる作業が行われます。

◎塗装ライン/自動車のボディにカラーコーティングを施す工程です。このラインは、自動車の外観に大きく影響するため、高い品質が要求されます。通常、自動車製造ラインの中で最も自動化が進んでおり、ロボットを中心に塗装作業が行われます。

◎検査ライン/完成した自動車を最終的に検査するためのラインです。一連の試験や検査を実施し、不具合がないことを確認した後、自動車は出荷準備が整い、出荷されます。

自動車製造工場におけるライン作業は、機械化、自動化が進んでおり、作業者は機械やロボットによる加工の補助作業が主になります。ただし、精密な部品の取り付けや、塗装作業など、高い技術や経験が必要とされる作業もあります。

食品製造のライン作業

食品製造工場のライン作業は、原料の受け入れから洗浄、カット、調味、包装、検品までの一連の流れを行います。一般的には、原料を受け取る工程から始まり、機械化された生産ラインで自動的に行われる洗浄・カット・調味などの工程が続き、最終的に検品・梱包が行われます。そのため、製品の品質管理や衛生管理にも重点が置かれます。また、製品ごとに異なる作業内容に加え、季節によって需要が変動するため、柔軟な対応力も求められます。

化粧品製造のライン作業

化粧品工場のライン作業では、原料の配合や混合、充填、容器詰め、ラベリング、梱包などが行われます。原料の配合や混合は、化粧品の種類や効果に応じて細かく決められたレシピ通りに行われます。充填は、液体やクリームなどを容器に注入する作業で、高い正確性が求められます。容器詰めは、充填された製品を容器に詰める作業で、自動化されている場合が多いです。ラベリングは、容器に商品名や成分などを記載する作業で、機械で自動的に行われる場合もあります。梱包は、完成品を箱に詰めて出荷準備をする作業で、機械や手作業で行われます。

電子部品製造のライン作業

電子部品工場のライン作業では、生産ラインでの部品の取り扱いや製造装置の操作、検査作業、梱包・出荷作業が行われます。機械を扱うことが多く、正確さや細かな作業が求められることが特徴です。また、製品の精度が高いため、クリーンルームでの作業も多いです。各工程での品質管理も重要で、検査機器を使った厳密なチェックが必要です。従業員は手先の器用さや集中力が求められるため、精密機器の扱いに慣れた技術者が多く働いています。

ライン作業の作業内容にはどんなものがある?

それでは、ライン作業の作業内容をみてみましょう。

組立・組付け

工場の作業イメージ

組立・組付けのライン作業では、機械部品や電子部品などを組み合わせる作業が中心です。具体的な作業内容は、部品の取り付け、ネジ締め、配線接続などが挙げられます。このような作業には、ドライバーやハンドツール、はさみ、ピンセットなどの工具が必要になります。また、正確な組み付けを行うために、測定器や顕微鏡などの精密機器を使用する場合もあります。作業によっては、フックやクランプなどの特殊な工具が必要な場合もあります。

機械オペレーター

ライン作業の機械オペレーターは、製造ラインの機械を操作して製品を作り上げます。具体的には、機械のスイッチやコントロールパネルを操作して生産ラインを稼働させたり、製品の生産過程を監視し異常があれば速やかに修正したりするなどの作業を行います。また、機械の故障やメンテナンスに関するトラブルが発生した場合には、速やかに対処することも求められます。機械オペレーターはさまざまな機械を扱うため、それぞれの機械の操作方法や動作原理を理解していることが必要です。

加工(成型・塗装・溶接・切断)

工場の仕事|溶接作業

成型、塗装、溶接、切断等の加工作業は自動化された部署が多く、部品のセットや作業プロセスの管理が主な作業内容となっています。成型作業では、樹脂や金属材料を成型する機械の設定や部材のセット、溶接作業では自動溶接機の運用や溶接機のメンテナンス、切断作業では加工機の設定や製品の品質チェックが主な作業内容です。また、塗装作業では塗装機の運用や塗料の調合、検査作業などがあります。作業者は、指示書や工程表に基づいて作業を進めるため、正確で迅速な作業が求められます。また、どの加工工程も加工後にはできばえのチェックをするので検査スキルも必要になります。

検品・検査作業

検品・検査作業では、製品の品質を確認するために目視検査や測定器具を使用し、不良品を取り除いたり、製品の外観やサイズ、重量等の仕様が正しいかを確認したりする作業を行います。また、製品の梱包やラベル貼りなどの作業が含まれる場合もあります。高い品質を維持するため、正確な測定や検査を行い、不良品を漏れなく取り除くことが求められます。

梱包・包装作業

女性ー梱包ーガッツポーズ

梱包・包装作業は、製品を出荷可能な状態に仕上げる作業になります。具体的には、製品を梱包材に包んで箱に詰めたり、専用機械を使用して包装をしたり、ラベルを貼付けたりする作業があります。また、製品によっては防湿剤の取り付けや、段ボール箱に詰める前に検品を行う場合もあります。作業中には、梱包材や機械を扱うための注意点や、箱詰めの方法などの手順を把握していることが求められます。

仕分け作業

仕分け作業では、製品や部品を種類や数量に応じて分類する作業が主な役割です。梱包された製品を箱から取り出し、検品した後、伝票の情報に基づいて種類や数量を確認して分別し、適切な場所に配置します。作業には集中力が求められ、正確さやスピードが重要なポイントです。工具としては、集計機やハンドスキャナーなどが利用されます。また、人手で行われる場合と機械を使用する場合があります。

ライン作業の仕事を探すときに注目すべきポイント7選

ライン作業は工場での仕事の中でも人気が高く、多くの求職者に選ばれています。しかし、ライン作業は単純な作業が多いため、やりがいやスキルアップの機会が少ないというデメリットもあります。そこで、ライン作業の仕事を探す際にはポイントを抑えることが大切!ここからはライン作業の仕事を探す際のポイントを7つに絞ってご紹介します。

移動しながらの作業かどうか

ライン作業は長時間同じ姿勢で単純作業を繰り返すことが多いため、身体の負担を感じることがあります。そこで、仕事探しの際には、可動領域があるかどうかを確認することが大切です。可動領域がある場合は、作業中に立ち上がったり、動いたりすることができるため、長時間同じ姿勢を続けることなく、身体への負担を軽減することができます。

作業スピード

ライン作業は、一定のスピードで部品や製品を扱う仕事が多いため、作業スピードが自分に合っているかを確認しましょう。過剰なスピードで作業することは安全上も問題がありますし、逆に作業が遅れると生産ライン全体に影響を及ぼすこともあります。したがって、作業スピードが自分に合っているか、また、定期的なトレーニングや改善活動によってスピードアップが求められるかどうかも把握しておくことが大切です。

ライン工程の作業スピードを確認しよう

作業機械の音量やにおい

ライン作業の仕事探しでは、作業機械から発生する騒音やにおいを確認することが大切です。さらに、自分が持つアレルギーと関係がある可能性がある場合は、その点も忘れずに確認しておきましょう。作業環境に合わせて体調管理ができるようにすることで、より働きやすい環境を見つけることができます。

重量物の取扱いがあるか

ライン作業の仕事探しでは、重量物を扱うことがあるかどうか、またを扱う場合はどのくらいの重さになるのかを確認しましょう。自分自身の体力や能力に合っているかを確認し、見極めることが大切です。過剰な負荷によるケガや疲労を防ぐためにも、自分に合った重さでの作業を心がけることが大切です。

冷暖房を完備しているか

ライン作業の仕事探しでは、職場に空調が完備されているか、も重要なポイントです。職場が暑すぎたり寒すぎたりすると、作業効率が低下するだけでなく、作業中に体調を崩す可能性もあります。熱中症や低体温症などの健康被害を防ぐためにも、快適な環境で働ける職場を選ぶことが重要です。

繁忙期の残業や休日出勤の有無

ライン作業の仕事探しでは、繁忙期には残業や休日出勤が必要となることがあります。そのため、自分に合った働き方ができるかどうか確認することが大切です。
例えば、家族との時間を大切にしたい人は、繁忙期に残業が多くなる職場は避けた方が良いでしょう。
毎月しっかりと稼ぎたい人にとっては、安定した残業があることで収入アップができるというメリットもあります。自分に合った働き方ができるかどうかを確認して、希望に合った職場選びをしましょう。

さいごに

ライン作業は、単調な作業内容であるため、未経験でも始めやすい仕事と言えます。ラインの仲間と仲良くなってチームワークが高まってやりがいを感じたり、現場の改善を提案することで作業環境が良くなって働きやすくなったりすることもあります。収入面では、交替勤務や夜勤専属勤務の場合だと25%アップの深夜割増手当や交替手当、繁忙期には残業手当があるなど、稼げる魅力もあります。

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