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玉掛け資格の履歴書への書き方は?正式名称や併せて取得したい資格を紹介

玉掛け資格の履歴書への書き方は?正式名称や併せて取得したい資格を紹介

こんにちは!工場・製造業求人サイト「イカイジョブ」の編集部です。

「玉掛け」は人の手では重くて運べない資材や荷物をクレーンで移動させる際にフックに吊り荷を掛けたり外したりする作業のことで、建設業や製造業など大きな物や重量物を扱う業界でよく見られます。

玉掛けを行うには玉掛け特別教育又は玉掛け技能講習を受講する必要があります。国家資格の中でも比較的取得しやすいこともあり、「玉掛けの資格を取得したいから受講している」「資格を取得したから仕事に活かしたい」という方も多いでしょう。資格を取得したら履歴書に書くことができますが、「玉掛け」と書いてしまうと略称になってしまうので注意が必要です。

本記事では、玉掛けの資格の種類や正式名称、履歴書への書き方や併せて取得したい資格も紹介していきますので積極的に活用していきましょう。

玉掛け資格の正式名称|履歴書にはどのように書く?

履歴書の免許・資格の欄

「玉掛け資格」や「玉掛け免許」と略称で呼ばれがちなこの資格は作業条件や用途によって2種類あり、それぞれの正式名称は「玉掛け特別教育修了」と「玉掛け技能講習修了」といいます。

この2つの資格は吊り荷の最大吊り上げ荷重により区分されているため、就職・転職の際は応募しようとする企業がどちらの資格所持者を募集しているのかを確認する必要があります。

また履歴書の資格欄に書くときも、あなたがどちらの資格を持っているかを正確に伝えるため「玉掛け資格所有」ではなく「玉掛け特別教育修了」または「玉掛け技能講習修了」と正式名称で記入するようにしましょう。

これから資格取得を考えている人は、希望する仕事ではどちらの資格が必要なのかを確認してから受講することが大切です。

いずれの資格も労働安全衛生法で定められている国家資格で、資格を取得するためには規定の講習を受講して試験に合格する必要があります。

ここからそれぞれの資格について詳しく解説していきます。
※参照:厚労省「まんがでわかるクレーン・玉掛け作業の安全衛生

「玉掛け特別教育修了」は玉掛け1トン未満

玉掛け資格のひとつである「玉掛け特別教育修了」は制限荷重が1t未満の揚貨装置又は吊り上げ荷重が1t未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛けを扱う場合に必要な資格です。

資格取得には5時間以上の学科講習と4時間以上の実技講習が必要で、2日間または3日間で受講をした後に修了試験に合格する必要があります。

▼学科(合計5時間)

クレーンに関する知識1時間
玉掛けに必要な力学に関する知識1時間
玉掛けの方法2時間
関係法令1時間

▼実技(合計4時間)

クレーンなどの玉掛け3時間
クレーンなどの運転のための合図1時間

受講は各都道府県の登録研修機関または規模の大きな事業場の場合には自社に特別講師を招いて講習を実施することもあります。

最近では学科講習をオンラインで受講できる便利なサービスもありますが、実技講習は受講できないため、実技講習をどのように受講するかを検討しなければなりません、

費用は研修機関によりますが15,000円〜20,000円が相場となっており、企業によっては費用の補助制度で自己負担ゼロで資格を取得できる場合もあります。

天井クレーンの画像

「玉掛け技能講習修了」は1トン以上

もうひとつの玉掛け資格「玉掛け技能講習修了」は制限荷重が1t以上の揚貨装置又は吊り上げ荷重が1t未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛けを扱う場合に必要な資格です。

一般的に言う「玉掛け資格」はこちらの玉掛け技能講習修了を指し、業務で使用する機会も多くあるため資格取得をすることで就職・転職に有利といえるでしょう。

関連資格を取得している場合や実務経験により受講資格が分かれています。

▼玉掛け技能講習のコース

対象者
Aコース
※いずれかに該当する人
◎移動式クレーン又はクレーン運転士免許・デリック運転士免許・揚貨装置運転士免許取得者◎小型移動式クレーン運転技能講習又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者
BコースAコースの対象者に該当しない人

▼Aコースの受講内容(学科13時間・実技7時間※学科試験一部免除)

クレーンに関する知識1時間
クレーン等の玉掛けの方法7時間
クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識3時間※学科試験免除
関係法令1時間
学科試験1時間
実技:クレーン等の玉掛け6時間
実技:クレーン等の運転のための合図1時間

▼Bコースの受講内容(学科13時間・実技7時間)

クレーンに関する知識1時間
クレーン等の玉掛けの方法7時間
クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識3時間
関係法令1時間
学科試験1時間
実技:クレーン等の玉掛け6時間
実技:クレーン等の運転のための合図1時間

玉掛け技能講習は学科・実技合計で20時間を必要とするため、3日ないし4日の日程で講習が実施されることが一般的です。

費用は、コースにより若干の差がありますが約25,000円前後となっています。

玉掛け資格を活かせる業種

玉掛け資格は主に、建設業や製造業・運送業・倉庫業・造園業などで広く活用することができます。

建設現場のスタッフ

建設業 
建設業では重量のある建材や建設機械をクレーンで吊り上げたり移動させるために玉掛け資格を活かすことができます。クレーンオペレーターとのコミュニケーションを取りながら適切な吊り上げポイントの選定や荷重のバランスを考慮した作業が求められます。

製造業 
製造業では使用する部材や扱う製品が大型であったり重量物がある場合に玉掛け資格を必要とします。イカイジョブに掲載中の求人情報を見てみると、玉掛け資格は特に製紙工場や大型機械の製造などで重宝されるようです。

資格を持っていない場合でも入社後に資格取得支援制度で自己負担なしで業務に必要な資格を取得させてくれる職場もあり、さらに活躍の場を拡げることができます。

運送業・倉庫業
運送業や倉庫業では、重い貨物をトラックやコンテナに積み込んだり、降ろしたりする作業が頻繁に行われます。玉掛け資格があることで、これらの重量物を安全に取り扱う技術と知識を活用することができます。

玉掛けと併せて取得したい資格

玉掛け資格は、重量物を安全に吊り上げ、移動させるために必要な知識と技術を身につけることができる重要な資格です。

しかし、現場での作業効率や安全性をさらに高めるためには、玉掛け資格と一緒に取得しておくと有利な資格がいくつかあります。これらの資格を併せ持つことで作業の幅が広がり、専門性が高まるだけでなく、現場での信頼性も向上します。

ここからは、玉掛け資格と一緒に取得すると役立つ資格をいくつかご紹介します。

小型移動式クレーン運転技能講習

小型移動式クレーンは、比較的小型で移動可能なクレーンの一種で吊り上げ荷重が0.5トン以上5トン未満のクレーンを指し、建設現場や工場、物流センターなど様々な場面で使用されます。

小型移動式クレーン運転技能講習は、小型移動式クレーンを安全に操作するための知識と技術を学ぶ講習です。

玉掛け資格はクレーン操作と密接に関連していますから小型移動式クレーン運転技能講習を併せて取得することで就職・転職がより有利になると言えます。

既に取得している資格によって受講コースが分かれます。ここでは玉掛け資格を取得しているコースをご紹介します。

▼小型移動式クレーン運転技能講習

対象者
いずれかに該当する人◎クレーン運転士免許、デリック運転士免許、揚貨装置運転士免許を受けた者◎玉掛け技能講習、又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者

▼受講内容

小型移動式クレーンに関する知識6時間
原動機および電気関する知識3時間
運転のために必要な力学に関する知識3時間 ☆免除
関係法令1時間
学科試験1時間
実技:小型移動式クレーンの運転6時間
実技:クレーン等の運転のための合図1時間 ☆免除

学科2日、実技1日の合計3日で受講し修了試験に合格すれば資格取得となります。
講習を真面目に聞いていれば95%以上合格できるため難易度は低めです。

受講費用は25,000円〜40,000円程度と受講する地域や機関によって幅がありますので、自分が受講する地域の相場を調べるようにしましょう。

床上操作式クレーン運転技能講習

クレーンのリモコンを操作する人

「床上操作式クレーン」とは運転士が地上、すなわち床上でリモコンで操作する際に荷物と運転士が一緒に移動して行くスタイルのクレーンのことです。混同されがちな資格に「床上運転式クレーン」がありますが、これは操作者が荷物から離れた場所からクレーンを操作するスタイルで荷物から離れてしまうため、慣れや感覚が大切になります。

一方、「床上操作式クレーン」は一緒に移動するため操作はしやすいものの、荷物と運転士の距離が近く視覚が遮られるため、安全に荷物を運搬するためには専門的な知識と操作スキルが必要となります。

▼床上操作式クレーン運転技能講習

対象者
いずれかに該当する人◎移動式クレーン、デリックまたは揚貨装置運転士免許保有者◎小型移動式クレーン運転技能講習修了者◎玉掛け技能講習修了者

▼受講内容

床上操作式クレーンに関する知識6時間
原動機および電気に関する知識3時間
運転のために必要な力学に関する知識3時間 ☆免除
関係法令1時間
学科試験1時間
実技:床上操作式クレーンの運転6時間
実技:クレーン等の運転のための合図1時間 ☆免除

学科2日、実技1日の合計3日で受講し修了試験に合格すれば資格取得となります。

講習を真面目に聞いていれば95%以上合格できるため難易度は低めです。

受講費用は33,000円〜40,000円程度と小型移動式クレーンと同様に受講する地域や機関によって相場が異なります。

移動式クレーン運転士免許

移動式クレーンは、工場や倉庫などに常設されているクレーンとは異なり、クレーン自体が不特定の場所に移動することができるクレーンのことです。

ホイールクレーンやキャタピラのついたクローラクレーンなど全ての移動式クレーンを運転することができるため、小型移動式クレーンにはできない大規模な工事現場や建設現場にまで活躍の場を拡げることができます。

免許取得には公益財団法人安全衛生技術試験協会が行う試験に合格する必要がありますが、まずは教習所での実技講習・実技検定合格を目指すのが一般的です。

教習所で実技検定に合格をすれば実技試験が免除され、公益財団法人安全衛生技術試験協会で学科試験に合格すれば免許が取得できます。

玉掛け技能講習修了者は一部試験が免除されます。

▼移動式クレーン運転士の試験科目

移動式クレーンに関する知識10問(30点)
原動機および電気に関する知識10問(30点)
関係法令10問(20点)
運転のために必要な力学に関する知識10問(20点)
実技:移動式クレーンの運転
実技:移動式クレーンの運転のための合図☆免除

教習所で行う実技講習は、1日に実施できる受講回数・時間に規定があるため最低6日間の教習期間が必要になります。

難易度はそれほど高いわけではありませんが、教習所に通う日数や試験会場が限られることから免許取得には10日〜2週間程度はかかります。

教習所の講習費用や詳細は最寄りの実施機関に問い合わせすることをおすすめします。

クレーン・デリック運転士免許

クレーン・デリック運転士免許は ・クレーン・デリック運転士(制限なし) ・クレーン・デリック運転士(クレーン限定) ・クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定) の3種類があります。

限定なし免許は全てのクレーンとデリックが運転できることから活用の幅が広いため、制限なく免許を活用したい場合は迷うことなく制限なしの免許を取得するとよいでしょう。

自身の使用用途にあった資格を間違いのないよう取得する必要があります。

移動式クレーン運転士免許同様、教習所での実技講習・実技検定に合格することで実技試験が免除され、学科試験に合格すれば免許が取得できます。

玉掛け技能講習修了者は一部試験が免除されます。

▼クレーン・デリック運転士(制限なし)の試験科目

クレーン及びデリックに関する知識10問(30点)
関係法令10問(20点)
原動機及び電気に関する知識10問(30点)
運転のために必要な力学に関する知識10問(20点)
実技:クレーンの運転
実技:クレーンの運転のための合図☆免除

免許取得までにかかる期間は教習所によって異なりますが最短で6日程度で取得することができます。

教習所の講習費用や詳細は最寄りの実施機関に問い合わせするようにしましょう。

玉掛け資格を活かしてステップアップしよう!

資格取得でステップアップをしよう

玉掛けの資格だけでは業務が限定されがちですが、クレーン操作の資格などを併せて取得し両方の資格を組み合わせることで、就職・転職を有利に進めることができそうですね!

また採用企業にとっても資格を持った人材の採用は即戦力となるため、積極的に行っていきたい採用と言えるでしょう。

企業によっては資格取得支援制度で取得費用をサポートする会社も多くありますので、資格がないからといって諦めずに取得意欲があることをアピールして就職・転職活動に役立てましょう。

イカイジョブにも玉掛け・クレーンの求人情報を掲載しています!

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