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クレーン運転士資格の種類とは?試験内容や難易度、合格率について解説

クレーン運転士資格の種類とは?試験内容や難易度、合格率について解説

工場や工事現場等で役立つ資格のひとつ、クレーン運転士。資格を取得することで、仕事の幅も広がるでしょう。しかし、一口にクレーン運転士と言っても様々な種類があり、資格の取得方法や携わることができる業務が異なります。今回は、クレーン運転士資格について種類や資格の取得方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

クレーン運転士とは?免許や資格を活かした仕事は?

クレーンとは、「荷物などを、動力を用いてつり上げ、水平に運搬することを目的とした機械装置」と定義されており、「機械でつり上げる」ということと「水平に運搬する」という2点がポイントです。

よく見るもので言うと、建設現場で鉄骨などの資材をワイヤーでくくりつけて高い場所につり上げたり、重たい荷物を上層階につり上げたりして、目的の場所に運ぶ機械のことをクレーンと呼びます。工事現場などで見たことがある人も多いのではないでしょうか。

このクレーンの運転をするには、運転するクレーンの機種に応じた運転士免許や資格が必要で、その資格の一つがクレーン運転士です。

クレーン運転士は、労働安全衛生法で定められている国家資格。クレーン運転士の免許を保有して、履歴書の資格欄に明記すれば、関連する仕事に従事できる可能性が高まります。
例えば、工場内で天井に取り付けられたレール上を移動する天井クレーンの操作や、建設工事現場で移動式クレーンを操作して鉄骨を運搬する業務などに携わることができるでしょう。

クレーン資格は国家資格です

クレーン運転士の給料は?

クレーン運転士として従事した場合の給料については、資格が必要である職種のため、他の職種に比べて高い傾向にあります。平均的な給与は、月収約30万円で年収にすると約400~500万円程度。より専門性の高い資格を取得することで、資格手当が付く会社もあります。

クレーン運転士の給与は他の職種に比べて高めです

クレーンの免許・資格の種類は?

クレーンの免許については、運転するクレーンや重量によっていくつかの種類に分かれており、つり上げる荷重が5トン以上のほとんどの場合、試験に合格して免許を取得する必要があります。

今回紹介する、主な免許の正式名称は、クレーンや原動機付の巻上機でつり上げるデリックを操作する「クレーン・デリック運転士免許」と、車両とクレーンが一体になった移動式クレーンの操作をするための「移動式クレーン運転士免許」です。

その他、技能講習や特別教育により取得できる資格もあります。クレーンの操作ではありませんが、クレーンに荷物をかけたり外したりする「玉掛け」という業務に関しては、つり上げる荷重が1トン以上は技能講習で、1トン未満は特別教育による取得が可能です。

次からは、クレーン・デリック運転士と移動式クレーン運転士の免許について、少し詳しく見ていきましょう。

クレーン・デリック運転士免許

クレーン・デリック運転士免許には次の3種類があり、それぞれの免許で出来る作業内容が異なります。

・クレーン・デリック運転士(限定なし)
・クレーン・デリック運転士(クレーン限定)
・クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)

それぞれの免許の内容を簡単にまとめました。
クレーン・デリック運転士(限定なし)は、つり上げる荷重が5トン以上のすべてのクレーンとデリックの運転ができます。
クレーン・デリック運転士(クレーン限定)は、つり上げる荷重が5トン以上のすべてのクレーンの運転が可能です。
クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)は、つり上げる荷重が5トン以上の床上運転式クレーンと、5トン未満のクレーンを運転することができます。

クレーン運転士資格の試験内容とは

移動式クレーン運転士免許

移動式クレーン運転士免許を取得すると、つり上げる荷重が5トン以上の移動式クレーンの運転ができます。

クレーンの免許・資格を取るには?

クレーン運転士の免許や資格の取得方法は、種類によって異なります。
受験資格は特になく、満18歳以上であれば受験可能です。

免許は、基本的に学科や技能試験に合格することで取得できるものですが、その他、受験の必要がない技能講習を修了したり、学科で説明を受ける特別教育を受講したりすることで取得できるものもあります。例えば、移動式クレーンの場合、つり上げる荷重が5トン以上は免許が必要ですが、つり上げる荷重が1トン以上5トン未満は技能講習で、1トン未満は特別教育で資格取得可能です。

試験内容

ここからは、クレーン・デリック運転士と移動式クレーン運転士の試験や、その他の技能講習・特別教育について詳しく見ていきましょう。

一般社団法人日本クレーン協会の試験規定によると、クレーン運転士免許の試験では、学科試験と実技試験が行われます。

クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許ともに、学科試験は4科目100点満点で実施され、出題数は全科目で40~50題、5肢択一方式で出題される筆記試験です。
科目の主な内容は、クレーンや原動機、電気に関する知識の他、運転のために必要な力学の知識、関係法令など。クレーンやデリック、移動式クレーンを安全かつ正確に運転するために必要な知識の有無について判定されます。

一方、実技試験は「クレーンの運転」と「クレーンの運転のための合図」の2科目です。クレーンの運転では、重量を確認して荷物をつり上げ、定められた経路で運搬、定められた位置に卸します。運転のための合図では、荷物のつり上げ、運搬、卸す際に、手・小旗等を用いた合図の実技です。
クレーンやデリック、移動式クレーンを安全かつ正確に運転するために必要な技能の有無に関して判定されます。教習所でのクレーン運転実技教習が修了している場合は、実技試験が免除されるので、覚えておきましょう。

試験難易度

クレーン運転士免許は国家資格ですが、難易度はそこまで高くないと言われています。
学科試験の合格ラインは、各科目の得点が配点の40%以上、かつ全科目の合計点が満点の60%以上です。実技試験については、減点が40点以下で合格となります。

合格率

クレーン資格の合格率は?

クレーン運転士免許の合格率は、約60~65%と言われています。
2020年のクレーン・デリック運転免許受験者数は15,760名、合格者は9,992名で、合格率は63.4%でした。同じく2020年の移動式クレーン運転士免許受験者数は5,359名、合格者は3,467名、合格率は64.7%。これらは学科試験の合格率で、実技試験の合格率はクレーン・デリック運転免許が、移動式クレーン運転士免許がと、いずれも学科試験よりも低い合格率となっています。

実技試験に関しては合格率が低いですが、前述のように教習所でクレーン運転実技教習を修了して免除規定を利用することも可能です。教習所に通う費用や時間はかかりますが、検討してみてもよいでしょう。

技能講習

一定の荷重以下の小型クレーンの操作には免許が不要で、技能講習の修了をもって資格を取得することができます。主な技能講習には、つり上げる荷重が5トン以上の床上操作式クレーンの運転に必要な「床上操作式クレーン運転技能講習」、つり上げる荷重が1トン以上5トン未満の移動式クレーンに必要な「小型移動式クレーン運転技能講習」があります。

特別教育

免許や技能講習が不要で、学科による説明を受ける特別教育で取得できる資格があります。主な特別教育には、つり上げる荷重が5トン未満のクレーンの運転に必要となる「クレーン運転の業務特別教育」や、つり上げる荷重が1トン未満の移動式クレーンの運転に必要な「移動式クレーンの運転の業務特別教育」があります。

工場勤務にも有利なクレーン運転士の資格取得を目指そう!

今回は、クレーン運転士免許について、詳しく解説しました。クレーン運転士と言っても、試験が必要な免許から、講習などで取得可能な資格まで、様々な種類があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。工場や建設現場などで、かなり役立つ資格のクレーン運転士免許。免許があると従事できる仕事の幅が広がるので、ぜひ取得を検討してみてください。

 

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