食品や自動車など、製造業の工場検査の仕事と聞くと、「きつい」と思う人は多いのではないでしょうか?確かに、工場検査の仕事には体力や集中力が要求されます。しかし、工場検査の仕事には、他の業務にはないメリットもたくさんあるのです。
そこでこの記事では、工場検査の仕事について詳しくご紹介するとともに、向いている人はどんな人か?についても言及していきます。
目次
工場検査の仕事内容は?
工場検査は主に、工場の作業環境に関する検査と、製品に対する検査の2つにわかれます。
作業環境に関する検査では、衛生状況をチェックします。製品に異物や細菌が混入するのを防ぐため、ベルトコンベアや作業台、生産に使用する器具などを検査するのです。
一方、製品検査では製品の使用目的・材質・形が規格に沿って生産されているか、製品に問題がないかをチェックします。
主なチェック内容は以下の通りです。
・原材料の検査・・・生産に使用している原材料が規格通りか、微生物や有害な物質が混入していないかを検査します。
・作業工程内でのチェック・・・製品ができあがる途中の、要所要所での検査です。検査の結果によって、規格通りのものは次の工程へ、規格外のものは工程から外します。
・完成品のチェック・・・できあがった製品が規格通りかどうかをチェックします。製品の規格はもちろん、生産数もしっかりチェックしなければなりません。
・不良品発生の原因究明・・・不良品が出た場合、原因を究明し再発防止に努めます。
また、工場検査は以下の3つの方法で行われます。
・ふき取り検査・・・作業台などをふき取り、付着した中に有害な物質がないかを検査します。
・目視検査・・・人の目で直接検査する方法です。ただし、目視検査だけでは見落としなどのミスが発生する可能性があるので、機械検査と併用したり、複数人がで検査に当たったりするなどして、検査漏れがないようにします。
・機械検査・・・生産工程で規格外製品を自動で検出及び排出する「自動検査」や、測定器や顕微鏡など、専門の機器を使用して検査する方法です。
工場検査のきつい点は?
続いては、工場検査のきつい点について、いくつかピックアップして解説していきます。
目や腰など体に負担がかかる
検査の内容にもよりますが、1日で1万個以上検品することもある工場検査。どうしても目が疲れてしまいます。また、同じ姿勢のまま長時間作業しなければいけないので、首や肩が痛くなるなど、体に負担がかかるところが、工場検査のきつい点です。そのため、適度に体を動かしたり、どういう風に作業を進めていくのが楽なのかを考えたり、と対策を講じる必要があります。
スピードが求められる
ライン作業の場合、コンベアのスピードに作業がついていけずにつらくなる、ということがあります。コンベアから流れてくる製品のスピードよりも作業のスピードが遅いと、自分の工程でどんどん製品が溜まってしまい、次の工程にも影響を及ぼしてしまいます。特に慣れていない場合は、パニックになってしまい、急げば急ぐほど失敗してしまう…というのもよくある話です。
長時間集中する必要がある
工場の検査という職種は、製品に不具合がないかを見逃さないように集中することが重要です。集中力を維持するためには、体と心をしっかりとコントロールする必要があります。短時間ならまだしも、長時間一つの作業に集中し続けるのは、なかなかきついものです。
工場検査の楽な点は?
工場検査のきついところを挙げていきましたが、もちろんきついだけでなく、他の仕事に比べて楽な点も多数あります。いくつか代表的なものをピックアップしてご紹介しましょう。
単純作業である
工場検査は、同じ業務を繰り返す単純作業なので、未経験でも少しの研修期間で、比較的簡単に仕事を覚えることができます。もちろん資格等も必要ありません。最初はとまどうかもしれませんが、自分に割り当てられた工程さえ覚えておけばいいので、この点は楽と言えるかもしれません。
力仕事が少ない
工場の仕事と聞くと体力が必要、と思う人も多いかもしれませんが、工場検査に関してはそれは当てはまりません。肉体労働ではないので、体力や腕力に自信がなくても十分にこなすことができるでしょう。担当する製品によって違いはありますが、基本的に検査は立ちっぱなしではなく座って行う業務なので、長時間働いても疲れにくいというメリットもあります。
きれいで環境がいい場所で働ける
工場の製造過程では、製品に細菌や異物が混入したり、機器が故障したりするのを防ぐために、清潔な環境を維持しておく必要があります。また、冷暖房が完備されている職場も少なくありません。
清潔な職場で働くことができるというのも、工場検査の大きなメリットのひとつです。
残業が少ない
工場は、日勤と夜勤という交替制でシフトが組まれるなど、労働時間がしっかりと管理されている所が多いので、残業が少ないというメリットがあります。特に、大手企業の工場は細かなところまでシステム化されており、働く日のシフトも管理されているので、残業はほぼないと思っても良いでしょう。
とはいえ、残業が多い工場もたくさんあります。残業が多いと収入も増えますが、その分プライベートな時間が減ってしまいます。仕事を選ぶときは、収入とプライベート、どちらを優先したいのか、安定した年収を得るにはどれくらい働けばいいのか、などをしっかりと考えることが大切です。
共に働く仲間ができる
工場検査は基本的に1人ではなく、複数人で働くことになります。仕事中は集中力が求められる工場検査の業務ですが、休憩時間などを利用して、職場の人たちとコミュニケーションを取ることができます。同じ仕事をしている仲間や、適切なアドバイスをしてくれる上司や先輩に恵まれれば、働きやすい職場になるでしょう。
逆に、業務中はコミュニケーションが少ないため、人付き合いが苦手な人でも働きやすいとも言えます。
女性でも働きやすい
工場検査は、力仕事がなく、細やかさを求められるので、女性でも働きやすい仕事です。他にも、パートやアルバイトなど時給制で働くことを希望する人にも人気です。
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工場検査に向いている人は?
最後は、工場検査に向いている人の特徴をご紹介していきましょう。工場検査の仕事を希望している人は、ご自身が当てはまるかどうか、チェックしてみてくださいね。
単純作業が好きな人
工場検査の仕事は、基本的に同じ動作のまま、同じような検査を行っていきます。検査内容は職場によっては覚える種類が多いこともありますが、内容自体はさほど複雑なものではありません。そのため、黙々と同じことを繰り返して行う単純作業が好きな人は、仕事がきついという感情を抱くことはほぼなく、工場検査に向いていると言えるでしょう。
長い時間集中できる人
工場の検査業務は、同じ作業を長時間に渡って続けていきます。しかも、製品に不具合がないかをしっかりと確認しなければならないので、集中力の持続力は必要不可欠です。そのため、集中力が続かない人は、工場検査はきついと思ってしまうでしょう。
しかし、裏を返せば、長い時間集中力を維持できる人や、同じ作業を長時間やり続けても苦にならない人にはぴったりの仕事です。自己コントロールがしっかりできる人は、工場検査の業務に向いていると言えるでしょう。
細かい作業が好きな人
工場検査の仕事は、マニュアルやチェック項目に沿って小さなものをチェックする、という細かい作業になります。そのため、大雑把な人にはあまり向いていないと言えるかもしれません。反対に、几帳面な人や細かい作業が好きな人には適職です。
中でも、医療機器の検査の仕事は細かな部品を数多く扱うので、細かい作業が好きという人やコツコツ作業をするのが好きという人は、楽しみながら仕事を続けられるでしょう。
工場検査はやりがいのある仕事
工場の仕事の中でも、検査業務はいわば出荷前の最終工程。製品の品質が左右される大切な仕事です。体力や腕力はさほど必要ではありませんが、製品を丁寧にチェックするきめ細かさや責任感が必要とされます。その意味では、きついけれど大変やりがいがある仕事だと言えるでしょう。責任あるお仕事に興味がある、やりがいがある業務に転職したい、と思っている方は、工場検査の求人採用に応募してみてはいかがでしょうか。
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