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【製造業】仕事の目標が思いつかない!工場と個人目標の記入例

【製造業】仕事の目標が思いつかない!工場と個人目標の記入例

製造業にお勤めの方のうち、目標設定を求められても仕事の目標が思いつかないとお悩みの方も少なくありません。このページでは、製造業の目標設定が重要な理由と考え方、目標管理シートの記入例や例文についてお伝えします。

製造業に目標設定が重要な理由

製造業の目標設定は生産性向上に直結することから重要視されがちです。利益拡大に向けた生産量増加や製造原価削減のため、適切な目標の設定と取り組むべきアクションの確定、そして達成が欠かせません。会社全体と個人目標が必要な理由をお伝えします。

会社・工場全体の目標を設定する理由

会社全体に目標がなければ社員がどこに向かって行動すればいいかわかりません。

目標は抽象的な言葉ではなく、具体的な数値目標に落とし込む必要があります。例えば、「クレーム率を下げる」ではなく「不良品率を前年比10%削減」のような表現をしましょう。

具体的な数値目標を提示することで個人目標が考えやすくなります。

個人目標を設定する理由

従業員一人ひとりが能動的に行動する意識を持つためにも個人目標が必要です。

会社全体が「不良品率を前年比10%削減」という目標を立てているなら、個人目標は「機械トラブルによる不良品が発生しないように毎日機械を整備する」のような行動レベルに落とし込めるはずです。

行動レベルに落とし込むと目標達成がしやすくなります。

【個人向け】製造業の目標を設定する方法

個人の方が目標を設定する方法をお伝えします。

工場全体の目標を理解する

まずは会社あるいは工場全体がどのような目標を持っているかを理解しましょう。

ご自身の目標が会社あるいは工場全体の取り組みに関係なければ効果的な目標設定につながりません。会社としても「やってくれるのはありがたいけど、会社の方針とは異なるため評価しづらい」ということが起こり得ます。

工場全体が目指す姿を実現するためにも全体目標の理解に努めましょう。

現状の課題を把握する

多くの製造業の場合は生産性向上が目標になると思うので、まずは生産性向上を阻む現状の課題を把握しましょう。工場の生産性を阻むことの例として以下が考えられます。

  • 機械の性能を十分に活かせているか
  • 従業員の配置やオペレーションは適切か
  • 素材の仕入れコストは抑えられないか

原価率や稼働率、労働生産性、製品の不良率などの指標を把握し、改善できそうなボトルネックを探していきましょう。数値だけでなく現状を把握するために現場の作業員にヒアリングすることも大切です。

SMARTの法則を用いる

工場の目標と現状課題を把握したらSMARTの法則に基づいて目標設定を進めましょう。

Specific(具体的である)

目標設定は具体的であればあるほど望ましいです。具体的な目標とは以下の通りです。

  • 得たい結果が明確である
  • 実現すべき行動が明確である

実現すべき結果とやるべき行動が明確だと目標設定が機能します。

Measurable(評価測定ができる)

目標は測定できることが大切です。達成に向けた進捗率を追いやすく、目標の期限に向けてペースの善し悪しを測りやすくなります。数値化すると目標を達成できたとき、あるいは達成できなかったときの振り返りや改善提案もしやすいです。定量的な数値目標を設定しましょう。

Achievable(達成可能である)

目標は達成可能な現実性を伴っていることも大切です。あまりに現実からかけ離れた目標ではモチベーションが維持できません。また、進捗率を見ながら計画の軌道修正をする必要もなくなります。自分の能力や置かれている環境を考慮しながら達成可能な目標を設定しましょう。

Relevant(関連性がある)

目標は自分や会社のビジョンに合致した目標であることも大切です。関連性がない目標を計画しても、会社から評価されることもなく、自分自身も進めていて違和感を抱えると思います。関連性のある目標を設定し、仕事や組織の目標達成とともに自分の成長や仕事のやりがいを高めましょう。

Time-bound(期限が設定されている)

目標は期限を達成することが必要です。期限が設定されると優先順位や時間管理も設定できるため、効率よく目標達成に向けた行動ができます。期限が迫ることでモチベーションも高まることから積極的に取り組みやすくなります。

【例文】仕事の個人目標が思いつかないときの記入例

製造業の仕事の個人目標が思いつかないときは、ISO9001の品質マネジメントシステムの目的である顧客満足度(品質・価格・納期・サービス)の4項目の視点から立てるとよいでしょう。

品質管理の記入例

品質管理担当者が目標設定を考えるときの記入例については以下のような目標が考えられます。

品質管理の向上の例文

  • 品質のよい製品を提供するため不良率を●%下げる
  • 目標の製造原価と提供価格を実現するため、●%のコスト削減をする
  • 製造リードタイムを●日短縮する
  • 年間のクレーム件数を前年比●件削減する

目標管理シートの記入例

品質管理用の目標管理シートの記入例を作成しました。

目標不良品発生率を減らす
目標内容製品Aの不良品率を現状の10%から5%まで削減する
目標数値不良品発生率5%以下
達成期限2025年12月31日

生産管理の記入例

生産管理においても品質管理と同様に目標設定ができます。受注や仕掛など、製造工程を管理する観点から生産性向上に向けた目標を立てましょう。

生産管理の向上の例文

  • 稼働率を高めるため、従業員の作業工数を●%減らす
  • 稼働率を高めるため、資材調達のリードタイムを●日短縮する
  • 仕掛発生率を●%減らすため、受注状況と連携した生産計画を立てる

目標管理シートの記入例

生産管理用の目標管理シートの記入例を作成しました。

目標従業員の作業工数削減
目標内容製品Aのラインの工程を1個あたり2分短縮する
目標数値作業①の工程を30秒、作業②の工程を90秒短縮する
達成期限2025年12月31日

まとめ

製造業に勤めている方向けに仕事の目標が思いつかないときの考え方や目標管理シートの記入例をお伝えしました。目標設定にあたって大切なことは、工場全体の課題を認識したうえで目標を設定し、正しい現状をもとにSMARTの法則に則って目標を作成することです。

製造業のお仕事に就いている方はぜひ本記事を参考に目標設定を実践してみてください。