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製造業の年収は?雇用形態や学歴による違いも解説!

製造業の年収は?雇用形態や学歴による違いも解説!

多種多様なモノづくりを行っている製造業。「製造業の年収はどのくらいなの?」と気になっている人もいるのではないでしょうか?

今回は、製造業の年収を雇用形態や学歴、ほかの業種と比べてどうなのか、さまざまな角度から紹介します。また、製造業で年収アップを目指す方法もいっしょに見ていきましょう。

製造業の年収は?

ねじなどの小さな工業部品を作る町工場から、世界中に名が知られている医薬品製造企業まで、ひと言で「製造業」といっても、作っているものや会社の規模はさまざまです。多種多様な企業がある製造業ですが、年収は見て他の業種と比較して高いのでしょうか?または低いのでしょうか?

厚生労働省が2021年に発表した「賃金構造基本統計調査の概況*1」をもとに、今回は男性の業種別の月収・年収をランキング形式で見てみましょう。

〈業種別 平均月収・年収ランキング〉

月収年収
1位金融業・保険業48万円576万円
2位情報通信業41万円491万円
3位建設業35万円420万円
4位医療・福祉35万円420万円
5位製造業32万円384万円
6位運輸業・郵便業29万円348万円
7位宿泊業・飲食サービス業28万円336万円
男性全体34万円408万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査の概況*1」より作成 (千の位を四捨五入した数字を記載しています)

上の表を見てみると、年収が一番高いのは、銀行や証券会社、生命保険会社などが含まれる「金融業・保険業」の576万円です。そのあと、IT企業やテレビ局、ゲームソフト会社などが含まれる「情報通信業」が491万円と続きます。

逆に、年収が一番低いのは旅館やホテル、レストランなどを含む「宿泊業・飲食サービス業」で336万円でした。製造業は、月収32万円で年収384万円になっており、表の中では上から5番目です。男性全体では、月収34万円で年収408万円が平均なので、製造業は男性の平均月収・年収より少し低めになっています。

しかし、この表の月収や年収は、残業手当や深夜勤務手当などが含まれていないため、製造業の中でも工場勤務のような深夜勤務手当が含まれる職種では、月収・年収が表の値よりも大きくなることがあるということを覚えておいてください。

雇用形態で年収はどれくらい違う?

次に、製造業の男性は、「正社員」と「正社員以外」(派遣社員や契約社員、パート勤務などが含まれる)で、年収はどれくらい違うのでしょうか?こちらも、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の概況*1」をもとに、男性の雇用形態別の月収・年収表を見てみましょう。

〈雇用形態別 製造業の平均月収・年収〉

月収年収
正社員33万円396万円
正社員以外23万円276万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査の概況*1」より作成 (千の位を四捨五入した数字を記載しています)

製造業の正社員は、月収33万円で年収に換算すると396万円でした。一方、正社員以外の人は、月収23万円で年収は計算すると276万円になります。正社員と正社員以外を比べてみると、月収は10万円、年収は120万円ほど正社員のほうが高い結果となりました。

どの業種でも正社員以外の人よりも正社員のほうが月収・年収が高いことが一般的ですが、製造業はほかの業種と比べて雇用形態間の賃金格差が高くなっています。
雇用形態で年収はどれくらい違う?

製造業の年収は、高卒と大卒で変わる?

学歴によって賃金格差があることは事実です。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の概況*1」をもとに、男性全体の高卒・大卒の月収・年収表を見てみましょう。

〈男性全体の学歴別平均月収・年収表〉

月収年収
高卒30万円360万円
大卒39万円468万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査の概況*1」より作成 (千の位を四捨五入した数字を記載しています)

表を見ると、高卒と大卒では、月収で9万円、年収で108万円ほど大卒のほうが、収入が高いことがわかります。では、製造業の高卒・大卒という学歴の差で、どのくらい年収が違うのでしょうか?

〈高卒・大卒別 製造業の年収相場〉

年収
高卒290~370万円
大卒450~550万円

製造業でも、高卒より大卒のほうが、年収が高くなっています。その差は180万円ほど。一般的な学歴による賃金格差よりも高くなっていることがわかります。もちろん、高卒であっても長年勤務することにより昇給・昇進することは可能で、主任や班長など役職に就くこともめずらしくありません。しかし、昇給・昇進のスピードは大卒のほうが早いケースが多いため、年収も高くなっているようです。
製造業の年収は学歴で変わるのか?

 

製造業の中でも年収の高い業種は?

ここで、製造業の中でも年収の高い業種を紹介します。国税庁のホームページにある「業種別の平均給与*2」を見てみると、もっとも平均給与が高いのは「化学工業」で568万円。そのあと、金融保険・不動産業の558万円、運輸通信公益事業の551万円、金属機械工業の545万円と続きます。

このことから、製造業の中で年収が高い傾向にあるのは、「化学工業」と「金属機械工業」ということがわかります。年収アップを目指したいときは、化学系または金属機械系の企業を調べてみるのがおすすめです。

年収を上げるには?

最後に、製造業で年収を上げるためにはどうすれば良いかを紹介します。

登用・昇進を目指す

上で紹介したように、「正社員」と「正社員以外」では、年収に大きく差があります。派遣社員や契約社員であれば、正社員への登用を目指すのが年収アップへの近道でしょう。

また、役職に就くと給料が上がったり、役職手当が支給されたりするため、年収は大きくアップします。高卒の人でも大企業の工場の班長といった役職に就くことが可能で、中小企業であれば、さらに上の部長などの役職を目指すこともできます。部長や工場長といったトップレベルの役職に就ければ、製造業で年収1,000万円も夢ではありません。

資格を取得し手当をもらう

製造業では、資格を取得することで資格手当が支給されることがめずらしくありません。例えば、フォークリフト免許やクレーン免許、危険物取扱者などの資格に手当が支給されることが多く、またこれらの資格はさまざまな製造業で活用できるので、取得しておいて損はないでしょう。

資格手当は、企業ごとに違いますが、月あたり数千円~1万円程度設定していることが多いです。資格取得のために、時間とお金がかかることもありますが、毎月資格手当がもらえるようになることを考えれば、数カ月で元が取れるケースも多いのではないでしょうか。

福利厚生を確認する

直接収入が増えるわけではありませんが、職場を選ぶ上で、福利厚生を確認することはとても重要です。福利厚生には、住宅手当や家賃補助、昼食の支給などさまざまなものがあります。福利厚生が充実している企業を選ぶと、さまざまな支援制度で支出が減らせるので、結果として使えるお金が増えることになるのです。企業を選ぶときは、年収だけでなく福利厚生もしっかりチェックしましょう。

【まとめ】製造業の年収は登用・昇進・資格で上げよう!
製造業の年収は、男性全体の年収と比較して、少し低いようです。しかし、登用や昇進、資格手当など、年収アップの手段があることも忘れてはいけません。収入面を重視するのであれば、契約社員・派遣社員の方は正社員を目指すのも、一つの選択肢と言えるでしょう。さらに、主任や部長へと昇進できるよう努力を続けることも大切です。また、製造業は資格手当がもらえることが多いので、資格取得により大きく年収を上げることもできます。年収をあげたい場合、企業選びの際は福利厚生にも注目すると、より豊かな生活が目指せますよ。

 

以下の記事も、是非参考にしてみてください!
・工場勤務がきつい理由を徹底解説!向いている人はどんな人?仕事の選び方は?

・工場勤務の給料は安い?年収の相場、手当を解説

 

参考文献

*1:「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/13.pdf

*2:「国税庁HP内1.平均給与」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/05.htm